最も良く使用されているゲノム解析アプリケーションを対象としたOpenACCによるGPUアクセラレーションが、命を救う医薬品の開発期間短縮を支える|NVIDIA
 

最も良く使用されているゲノム解析アプリケーションを対象としたOpenACCによるGPUアクセラレーションが、命を救う医薬品の開発期間短縮を支える

 
 

「DNADist」ソフトウェアを容易に16倍高速化し、 ロシュをはじめとする医薬品企業の研究を加速

鎌状赤血球病: 正常な赤血球(左)、鎌状赤血球(右)
鎌状赤血球病: 正常な赤血球(左)、鎌状赤血球(右)

2012年8月6日 ‐ 上海 ‐ NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO:ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、プログラミング規格であるOpenACCを使い、ダウン症、血友病、嚢胞性線維症、鎌状赤血球病などの遺伝子病治療薬の初期段階に使用される、DNADistゲノム解析アプリケーション1の劇的な高速化に中国の研究者らが成功したと発表しました。

上海交通大学の研究者らはCAPS enterpriseのOpenACCコンパイラを使用し、NVIDIA®Tesla® GPUベースのシステム上において、「ディレクティブ」と呼ばれる4種類のシンプルなヒントをアプリケーションコードに追加することによりDNADistアプリケーションを16倍高速化しました。

DNADistはさまざまな生物種の間の遺伝的関係を進化過程の中で検証する距離行列アプリケーションであり、配列を決定したDNAデータからヌクレオチド配列を読み取ることによってデータを抽出し、広く見られる遺伝子疾患について原因究明と治療の可能性をもたらします。DNADistアプリケーションの高速化により入力データの範囲を大きく拡大でき、行動の基盤となる情報を治療法研究のより早い時期に得られるようになります。

OpenACCは世界を変えるGPUコンピューティングのパワーを世界中の研究者が容易に利用できることを目指して設計された、ディレクティブを使用する並列コンピューティングのためのプログラミング規格です。これはユーザーにとって、並列プログラムに関する知識のレベルにかかわらず、従来のプログラミングモデルを使いながら数時間のうちに研究作業を高速化することのできる最も簡便な手段となります。

ロシュがOpenACCとGPUアクセラレーションのパワーに感銘を受ける
状況を根本的に変えるアプリケーション高速化を最小限の努力で迅速に実現するOpenACCは、より有効な医薬品を、より迅速かつ低コストで研究、特定、および開発する手段を、ロシュをはじめとする世界有数の医薬品企業に提供します。

Roche Pharma Global Informaticsのプロジェクト・ディレクター、スティーブ・パン(Steve Pan)氏は、次のように述べています。「我々が使用する最も重要なアプリケーションのDNADistについて、OpenACCがこれほど迅速かつ容易にGPUアクセラレーションのパワーを引き出したことに驚きました。当社の製品はたとえ1日であっても早く市場に出すことによってさらに多くの命を救うことができるため、GPUがもたらし得る影響は極めて貴重です。」

NVIDIAのTeslaビジネス担当シニア・ディレクター、スミット・グプタ(Sumit Gupta)は次 のように述べています。「膨大なDNA配列データから意味のある情報を抽出するにあたり、必要とされるコンピューティング能力がますます大きなものとなってきています。OpenACCによって研究者はGPUアクセラレーターの大きな処理能力を迅速、容易に活用し、膨大なゲノム配列データを分析することができるようになりました。このことによって生体系の研究に必要な時間が劇的に短縮され、さらに有効性の高い次世代の医薬品開発を実現できる可能性が生まれています。」

OpenACCがサポートするコンパイラーとCPU/GPUハイブリッド型コンピューティング・システムは、多数の研究者やエンジニアによってCAD/CAM、画像処理、材料科学、分子動態、量子化学、およびその他のあらゆる種類のアプリケーション高速化に使用されており、利用者の数はますます増えてきています。多くのユーザーからは、わずか数時間の作業により5倍から10倍の高速化が達成できたと報告されています。

OpenACCとDNADistに関する新しいウェビナーのお知らせ ‐ 2012年9月6日
CAPS enterpriseはOpenACCの使用事例とベストプラクティスを取り上げた公開ウェビナーを2012年9月6日に開催し、DNADistの高速化についてさらに詳しく説明します。ウェビナーの詳細と登録は下記リンクをご覧ください。
https://www2.gotomeeting.com/register/668751466

About NVIDIA Tesla GPUs
NVIDIA Tesla GPUはNVIDIA CUDA®並列コンピューティング・プラットフォーム採用の超並列アクセラレーターです。Tesla GPUはハイパフォーマンスコンピューティング、計算科学、スーパーコンピューティングに対応できるように基礎から設計したプロセッサーで、科学的アプリケーションや商用アプリケーションにおいてCPUのみのアプローチよりも劇的に高いパフォーマンスを提供することができます。

NVIDIA Tesla GPUについての詳細は、Teslaウェブサイトをご覧ください。CUDAについての詳細を知りたい場合、あるいは、その最新バージョンをダウンロードしたい場合は、CUDAウェブサイトをご覧ください。そのほか、NVIDIAニュース&イベントにおいて、NVIDIA関連のニュース、会社や製品に関する情報、動画/画像など、さまざまな情報を提供しています。ツイッターでも情報を提供しています(@NVIDIATesla)。

About NVIDIA
1999年、NVIDIAによるグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の発明が、世界中の人々にコンピュータグラフィックスの可能性を認識させることとなりました。今日、NVIDIAのプロセッサはスマートフォンからスーパーコンピューターまでの幅広い製品に、またモバイル・プロセッサは携帯電話、タブレット、および車載インフォテインメント・システムに搭載されています。なかでもPCゲーム分野ではリアリティあふれる仮想空間の実現によって多くのゲーマーを魅了しています。専門的な分野では、映画製作における高度な視覚効果や3Dグラフィックスをはじめ、ジャンボジェット機からゴルフクラブにいたるまであらゆるものの開発に役立っているほか、より高性能なコンピューターを必要とする先端科学の研究者にも利用されています。NVIDIAが保有する特許は申請中のものも含めると5,000件以上に上っており、近代的なコンピューティング技術の基礎となっているものも数多く含まれています。当社の詳細についてはwww.nvidia.co.jpまたは日本語サイトwww.nvidia.co.jpをご覧ください。

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本参考情報に記載されている記述の中には、NVIDIA Tesla GPUに関する特許の影響など、これらに限らず、将来予測的なものが含まれており、予測とは大幅に異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。これらのリスクと不確実性に関してはこれらに限らず、世界的な経済環境、サードパー ティーに依存する製品の製造、組立、梱包、試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン、製造、あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェースの変更、システムを統合する際の当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスの損失などがあり、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-Qの2012年4月29日を末日とする会計年度レポートなど、米証券取引委員会(SEC)に提出されているNVIDIAの報告書に適宜記載されます。 これらの将来予測的な記述は発表日時点での見解に基づくものであり、NDIVIAはこれらの記述を更新する一切の義務を負いません。

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1 DNADistは生物科学、主に系統発生論の有識者たちに使用されているPhylip(PHYLogeny Inference Package)オープンソースパッケージのプログラムの一部です。 Source: //en.wikipedia.org/wiki/PHYLIP