x86マルチコアCPUのOpenACCをサポートした PGIアクセラレータ・コンパイラ|NVIDIA
 

x86マルチコアCPUのOpenACCをサポートした PGIアクセラレータ・コンパイラ

 
 

2015年10月29日 - カリフォルニア州サンタクララ -NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、x86アーキテクチャ採用マルチコア・マイクロプロセッサでOpenACC®ディレクティブ・ベースの並列プログラミング規格をサポートしたFortran、C、C++のPGIアクセラレータ™コンパイラ・バージョン15.10を提供すると発表しました。

今回のPGIコンパイラではパフォーマンスのポータビリティが実現され、マルチコアCPUあるいはGPUアクセラレータで並列処理できる形にOpenACC対応ソースコードをコンパイルすることが可能になりました。つまり、複数のシステム・アーキテクチャについてそれぞれの特長を利用できるアプリケーションをひとつのソースコードで開発可能となるわけで、プログラムの柔軟性がきわめて高くなります。

NVIDIAのPGIコンパイラ&ツール担当ディレクタ、ダグラス・マイルス(Douglas Miles)は、次のように述べています。「HPCデベロッパのみなさんが主なCPUやアクセラレータ・プラットフォームのいずれに対してもアプリケーションのポーティングを簡単に行えるようにすること、共通のソースコードをベースとしてどのプラットフォームでも等しく高性能を得られるようにすることをNVIDIAは目標としています。いま、激しい開発競争がくり広げられているエクサスケール・コンピューティングの世界ではさまざまなシステム・アーキテクチャが採用され、アプリケーションのプログラミングにおいても柔軟なアプローチが必要になるはずで、このような機能がとても重要になるものとNVIDIAでは考えています。」

PGIに新しく搭載された機能では、x86プロセッサあるいはマルチソケットを搭載したサーバが持つコアのすべてを活用して並列実行ができるようにOpenACC計算領域をコンパイルすることができます。複数のコアをまとめ、全体が共有メモリ・アクセラレータであるかのように取り扱うため、最終的なOpenACCプログラムではデータ移動のオーバヘッドがなくなります。デフォルトではシステムに用意されているコアのすべてを使うコードが生成されますが、どのコアをどこまで使うのかといった制御や調整の方法も各種用意されています。

英国Atomic Weapons Establishmentのウエイン・ゴーディン(Wayne Gaudin)氏は、次のように述べています。「コードに手を入れることなくOpenACCをCPUで実行し、OpenMP/MPI実装に匹敵するパフォーマンスを得ることができますし、GPUで実行すれば4倍もの高速パフォーマンスが得られます。これはすごいことです。パフォーマンスのポータビリティやコードの将来的な互換性確保といった意味ですばらしい成果だと言えます。」

OpenACCをマルチコアCPUで走らせると、以下のようなメリットがあります。

  • マルチコアCPUあるいはマルチソケットを搭載したサーバで、すべてのコアを効率的に活用して並列処理が行えます。
  • Fortran、C、C++を使い、ひとつのプログラミング・モデルで各種CPUから各種GPUまでをカバーすることができます。
  • KERNELSディレクティブを使うだけでマルチコアの並列活用が実現できるため、並列処理へと段階的に最適化していくことができます。
  • さまざまなマルチコアCPUからGPUまでをカバーする形でスケーラブルなパフォーマンスが得られます。

オークリッジ国立研究所プロジェクト・ディレクタのバディ・ブランド(Buddy Bland)氏は、次のように述べています。「画期的なハードウェア・テクノロジが登場し、それを採用したいと考えたとき、大きなコストとして考えなければならないのが、あるプラットフォームから別のプラットフォームへHPCアプリケーションをポーティングするコストです。マルチコアx86 CPU用OpenACCなら、CPUのみのアプリケーションやGPU対応のアプリケーションをTitanなどのマシンから、米国エネルギー省が今後採用するであろう各種システムへとコードをポーティングし、継続性を確保することが可能です。また、そのようなシステム間のポータビリティも確保されます。」

採用が拡大するOpenACC
いまOpenACCを使っているデベロッパは1万社以上に達していますし、最近の状況を見ると、ハイパフォーマンス・コンピューティングの分野でOpenACCはいまも採用が拡大していることがわかります。最近世界各地で行われたハッカソンでも、科学のさまざまな領域で、アクセラレータとOpenACCによって科学計算アプリケーションの高速化が図られていることが明らかとなりました。たとえば、MRI画像再構築(PowerGrid)、数値流体力学(INCOMP3D、HiPSTAR、Numeca)、宇宙論や宇宙物理学(RAMSES、CASTRO、MAESTRO)、量子化学(LSDALTON)、数値物理学(NekCEM)などです。

このほか、Gaussian社からは、先日、計算化学アプリケーションのGAUSSIANをOpenACCでアクセラレータにポーティングするという発表がありました。フランスのアヌシーで開催された気象と天候の国際会議iCAS2でも、スイス気象庁(Meteosuisse)から、世界で初めてGPUアクセラレータに対応した天気予報プロダクション・アプリケーション、COSMOのGPUアクセラレーテッド版を採用するとの発表がありました。

OpenACCデベロッパ150社を対象に行った調査では、有効回答の94%がアクセラレータでスピードアップが実現できたとなっていますし、90%以上がOpenACCを推奨すると回答しています。

OpenACCをサポートしたPGIアクセラレータ・コンパイラの詳しい情報は、//www.pgroup.com/index.htmをご覧ください。OpenACCのAPIおよび規格については、www.openacc.orgをご覧ください。

マルチコアCPU用OpenACCのサポート以外に、PGIバージョン15.10には、NVIDIA GPUによるOpenACC処理をサポートしたOpenPOWER CPU用PGI Fortran、C、C++コンパイラのプリプロダクション・リリースも含まれています。

供給状況および無料トライアル
マルチコアCPU用OpenACCをサポートしたPGI 15.10は、今月中に提供を開始する予定です。提供は、PGIから直接、あるいは正規販売店経由となります。新たに導入を考えておられる先には、NVIDIA OpenACC Toolkitの一環として90日間の無料トライアルを提供します。大学の学生および教員には、PGIライセンスを無料で提供します。

PGI Softwareについて
PGI SoftwareはNVIDIAブランドのひとつで、IntelおよびAMDのx64プロセッサとNVIDIAやAMDのHPCアクセラレータを搭載したワークステーションやサーバ、クラスタにおいて高性能なパラレルFortran、C、C++が使えるコンパイラとツールを提供しています。詳しい情報は、www.pgroup.comをご覧ください。sales@pgroup.comへ電子メールをお送りいただくか、(503) 682-2806へ電話をしていただくこともできます。

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NVIDIAについて
1993年以来、NVIDIA(NASDAQ: NVDA)は、ビジュアル・コンピューティングという芸術的な科学の世界をリードしてきました。ゲーマや研究者、消費者からエンタープライズ各社にいたるまで、あらゆる人々にとって、ディスプレイの世界はインタラクティブな発見の世界へと変化しつつありますが、その源となっているのがNVIDIAのテクノロジです。詳しい情報は、//nvidianews.nvidia.com///blogs.nvidia.com/をご覧ください。

本プレスリリースに記載されている、OpenACCへの支援強化を含むPGIアクセラレータ・コンパイラーの利益・影響、は将来予測的なものが含まれており、予測とは大幅に異なる結果が生じるリスクと不確実性を伴っています。かかるリスクと不確実性は、世界的な経済環境、サードパーティーに依存する製品の製造・組立・梱包・試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン・製造あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェースの変更、システム統合時に当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスにより生じる損失などを含み、その他のリスクの詳細に関しては、Form10-Qの2015年7月26日を末日とする四半期レポートなど、米証券取引委員会(SEC)に提出されているNVIDIAの報告書に適宜記載されます。SECへの提出書類は写しがNVIDIAのウェブサイトに掲載されており、NVIDIAから無償で入手することができます。これらの将来予測的な記述は発表日時点の見解に基づくものであって将来的な業績を保証するものではなく、法律による定めがある場合を除き、今後発生する事態や環境の変化に応じてこれらの記述を更新する義務をNVIDIAは一切負いません。

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