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NVIDIAのGeForce 6200 with TurboCacheは、GeForce 6シリーズ中ローエンドに位置する製品で、1万円を切る低価格を実現しながらも、上位モデル譲りの高性能を実現しているのが特徴となっている。また、消費電力が低いため、ファンレス設計が可能になっており、静音性を重視するユーザーにも要注目の製品だ。

GeForce 6200 with TurboCache(以下GeForce 6200 TC)の最大の特徴は、ローコストであるということだ。その秘密は製品名の一部でもあるTurboCacheにある。
通常、ビデオカードにはビデオメモリと呼ばれるDRAMチップが128MBとか256MBなど搭載されている。このビデオメモリは、GPUが3D描画を行う際に、一時的に処理するデータを展開する場所として利用される。ちょうどCPUがHDDからデータをメモリに読み込んでそれを処理するのと同じような目的で利用されている。このビデオメモリは容量が多ければ多いほど展開できるデータ量が増えるので、GPUの処理能力は向上していく。しかし、容量を増やそうとすると、それだけ多くのDRAMを搭載しなければならないので、製造コストがあがってしまい、ひいてはビデオカードの価格を引き上げることになる。
そこで、GeForce 6200 TCではビデオメモリとしてビデオカード上に搭載されているメモリだけでなく、PCのメインメモリの一部をビデオメモリとして利用可能な仕組みが採用されているのだ。これは、チップセットとGPUを接続するバスがAGP 8X(2.1GB/秒)から、PCI Express(8GB/秒)へと変更されたことにより可能になったもので、ビデオカードのコストを押さえてかつGPUの性能を落とさないという"いいとこ取り"が可能になるテクノロジだ。
GeForce 6200 TCには2つのモデルが用意されており、それぞれビデオメモリは最大128MB(オンボードは32MB)、最大256MB(オンボード64MB)となっている。いずれも価格は1万円を切る非常に低価格に設定されいる、これこそがTurboCacheの恩恵なのだ。

GeForce 6200 TCの描画エンジンは上位モデルとなるGeForce 6800のテクノロジを受け継いでいる。GeForce 6200 TCはマイクロソフトのDirectX9.0cでサポートされているシェーダーモデル3.0というプログラミングモデルに対応しており、従来までのシェーダモデル2.0のみに対応しているGPUと比較してよりリッチな3D表現が可能になっている。
プログラマにとりシェーダモデル3.0は、複雑な条件分岐を利用して複数のパスで処理していたシェーダ命令が、単一のパスで実行できるため、同じ処理をさせたとしてもより高度な表現が可能になるのだ。また、演算器の構成もメインストリーム向けとしては十分な、ピクセルシェーダは4パイプ構成、バーテックスシェーダユニットは3ユニットとなっており、シェーダモデル3.0に対応している3Dゲームと組み合わせて利用することで、高い性能を発揮する。
もう1つ忘れてはならないのが、GeForce 6200 TCがPureVideoテクノロジと呼ばれる動画再生品質を高めるテクノロジに対応していることだ。PureVideoを利用することで、インタレース解除と呼ばれる動画再生品質に最も影響を与える処理の品質を高め、従来タイプの動画再生で発生していたズレやちらつきなどを減少させることが可能になる。最近ではPCをHDTVと組み合わせて、リビングルームで利用するという用途に利用されることも増えているが、そうした時には動画の再生品質は何よりも重要になってくるため、PureVideoのような技術が利用できることは重要なポイントとなってくる。
また、リビングルームにPCを置いて利用する場合には、静音性が重要になってくる。GeForce 6200 TCは、消費電力が上位モデルに比べて低いため、冷却はヒートシンクのみのファンレス設計が可能になっている。こうしたリビングルームPCにも高性能なビデオカードを使いたいが、かといってファン付きのビデオカードは困るというユーザーであれば、GeForce 6200 TCを搭載したビデオカードはよい選択となるだろう。
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