IBM と NVIDIA、データ サイエンティスト向けのオープン ソース機械学習ツールの強化に向けて提携|NVIDIA
 

IBM と NVIDIA、データ サイエンティスト向けのオープン ソース機械学習ツールの強化に向けて提携

 
 

新たな GPU で加速化したライブラリである RAPIDS が、PowerAI on IBM POWER9、IBM Cloud および IBM Watson Studio で利用可能に

2018 年 10 月 10 日

IBM (NYSE: IBM) は本日、オンプレミス、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境向けのエンタープライズグレードのデータ サイエンス プラットフォームに RAPIDS™ オープンソース ソフトウェアを新たに組み込むと発表しました。IBM にはディープラーニングと機械学習の幅広いソリューションが揃っており、データ サイエンティストにとっては、デプロイ モデルにかかわらず、このオープンソース テクノロジを採用するのが最適な選択となります。

IBM Cognitive Systems のシニア バイス プレジデントであるボブ ピッチャーノ (Bob Picciano) 氏は次のように話しています。「IBM は NVIDIA と長きにわたって協業しており、NVIDIA の GPU との組み合わせによって、IBM POWER9 プロセッサなどの IBM のテクノロジを活用することで、これまでもパフォーマンスを向上させてきました。当社は、RAPIDS を IBM のポートフォリオに組み込みことで、お客様のために、今後も積極的に AI の性能の限界を押し広げていきます」

RAPIDS により、Apache Arrow や Pandas、scikit-learn などのオープン ソース機械学習ソフトウェアを搭載している IBM 製品の GPU を加速させることが可能となります。発表間近の現時点においても、Anaconda や BlazingDB、Graphistry、NERSC、PyData、INRIA、Ursa Labs といった、主要なオープンソース コントリビューターが、RAPIDS への幅広いエコシステム対応を行っています。

IBM では、オンプレミス、パブリック、ハイブリッドおよびマルチクラウドといった環境を横断した、以下のような主要領域で RAPIDS を導入する予定にしています。

  • PowerAI on IBM POWER9 を通じて RAPIDS を活用することにより、データ サイエンティストのオプションが、オープン ソースの新しい機械学習と分析ライブラリによって拡大されるようになります。ワークロードを加速することにより、NVIDIA と IBM が POWER9 を利用して行ってきた、NVIDIA NVLink® と NVIDIA Tesla® Tensor コア GPU の統合といった、高度なエンジニアリングがもたらす利点をダイレクトに得られることが明らかになっています。PowerAI は、ヘテロジニアスなコンピューティング システムにおける今日のデータ サイエンスおよび AI ワークロードのありかたを最適化する IBM のソフトウェア レイヤであり、POWER9 でワークロードを GPU で加速することで実現される、このような性能トラジェクトリの向上を RAPIDS によって継続させることが当社の目標となっています。
  • IBM Watson Studio および Watson Machine Learning を通じて NVIDIA GPU のパワーを活用することで、データ サイエンティストや AI 開発者は、IBM Cloud Private for Data および IBM Cloud を使ったマルチクラウド環境における AI アプリケーションのデプロイにおいて、CPU のみの場合に比べて、より速くモデルを構築、デプロイおよび作動させることができるようになります。
  • IBM Cloud を通じて、GPU が装備されたマシンを導入したユーザーは、自身のクラウド アプリケーションに加速された機械学習と RAPIDS の分析ライブラリを適用し、機械学習を活用できるようになります。

NVIDIA のバイス プレジデント兼アクセラレーテッド コンピューティング担当ゼネラル マネージャーであるイアン バック (Ian Buck) は次のように述べています。「IBM と NVIDIA の過去数年にわたる密接なコラボレーションにより、世界中の企業や組織が、世界でもっとも重大な問題のいくつかに取り組むことができるようになっています。NVIDIA がこの度発表した RAPIDS オープンソース ライブラリを IBM が利用するようになると、データ サイエンティストは GPU 加速型の機械学習を活用できるようになり、ビックデータの分析を通じて、これまでよりも速やかにインサイトを得られるようになるでしょう」

機械学習は AI の 1 つの形態で、これによりシステムは、明示的なプログラムではなく、データから学ぶことができるようになります。小売りや金融、通信といった多様な業界の企業が、機械学習の積極的な利用、または機械学習の導入検討を行っており、振る舞い、嗜好または顧客満足の微妙な変化をよりよく把握する目的でビッグ データを活用する企業に機械学習がもたらす恩恵を得ようとしています。

本年の初頭、IBM はテラスケール マシンの学習ベンチマークの新記録を樹立し、これまでの記録の 46 倍の数値を達成しました。IBM 基礎研究所が開発した、IBM Snap Machine Learning (Snap ML) と呼ばれる機械学習アルゴリズムを NVIDIA Tesla V100 Tensor コア GPU 搭載の IBM Power Systems AC922 サーバーで作動させ、40 億以上のトレーニング データ サンプルを備えた、Criteo Labs がリリースしたオンライン広告のデータセットを使って、IBM の研究者たちがロジスティック回帰分類器をトレーニングするのに費やした時間は 91.5 秒間でした。

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i IBM の将来の方向性と意図についての記述は、予告なしに変更または撤回されることがあり、これらに限定されるものではありません。

IBM が同社のデータ サイエンス プラットフォームに RAPIDS を組み込むことの利点および影響、ならびに機械学習を積極的に使用または検討している、多様な業界の企業についての記述を含む、本プレスリリースにおける一定の記載は将来の見通しに関する記述であり、予測とは著しく異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。かかるリスクと不確実性は、世界的な経済環境、サードパーティに依存する製品の製造・組立・梱包・試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン・製造あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザーの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェイスの変更、システム統合時に当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスにより生じる損失などを含み、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-K での NVIDIA のアニュアル レポートならびに Form 10-Q での四半期レポートなど、米証券取引委員会 (SEC) に提出されている NVIDIA の報告書に適宜記載されます。SEC への提出書類は写しが NVIDIA の Web サイトに掲載されており、NVIDIA から無償で入手することができます。これらの将来予測的な記述は発表日時点の見解に基づくものであって将来的な業績を保証するものではなく、法律による定めがある場合を除き、今後発生する事態や環境の変化に応じてこれらの記述を更新する義務を NVIDIA は一切負いません。

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