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プロジェクト192裏話-カリフォルニア州のありふれたムギ畑を世界で神秘にした方法世界で神秘にした方法

誰がやったのかは言えません。どうやったのかもです。言えるのは、宇宙人は関係ないということくらいでしょう。

もうひとつ、とても優秀なミステリーサークル・アーティストを雇った理由はお教えできます。なぜ、サンフランシスコから南に2時間ほど行ったカリフォルニア州チャアラーのオオムギ畑にNVIDIAの最新モバイル・プロセッサの絵を描いてもらったのか、その理由です。

Crop Circle

192個のグラフィックス・コアを持つ最新のTegra K1プロセッサがすばらしい製品で、ほかのテクノロジ――少なくとも地球上にあるほかのテクノロジ――ではできないことができるとみなさんに知ってもらうには、これしか方法がないと思ったのです。

この192個のグラフィックス・コアは大量のエネルギーを吸い込み、ごく小さなパッケージで信じられないほどのパワーを発揮します。アーキテクチャは、世界トップクラスにパワフルなスーパーコンピュータの高速化に使われているものと同じKeplerアーキテクチャが採用されています。NVIDIAが提供する、GeForce GTXグラフィックス・カードの最高峰に使われているグラフィックス・チップと同じだと言うこともできます。

スーパーコンピュータ用もグラフィックス・カード用も、Tegra K1プロセッサも、すべて、CUDA並列コンピューティング・プラットフォームが利用できます。このプラットフォームは、銀河の中心やブラックホールから放出された星間粒子の流れを科学者がシミュレーションする際にも使われているものです。

その可能性は、それこそSFの世界を彷彿とさせます。たとえば、市販車に組み込める高性能なロボット用視覚システムが作れたり、ポケットに入る機器でPCに匹敵するグラフィックスが利用できるようになったりといったことが考えられます。

このようなストーリーをクリエイティブな形で語るにはどうしたらいいかをTegraチームで検討したのですが、そのとき、くり返し指摘されたのが、これがすごく高性能で信じられないほどだという点でした。あまりに進んでいて、この世の物とは思えないほどなのです。

だから、ミステリーサークルのエキスパート・チームにコンタクトしました。クリスマス後に到着した彼らは、すぐ、ありふれたムギ畑へ向かいました――K1に用意されているグラフィックス・コアの数から「プロジェクト192」とNVIDIAのマーケティング・チームが名付けた作業をするために。

農家がよくやる方法なのですが、ここのオオムギは、すき込んで地力を回復するために植えられたものです。ミステリーサークルのエキスパートは、同行のNVIDIAチームとともに、それをカンバス代わりに利用しようと考えたわけです。作業は迅速に進められました。

そして朝になると、ほどなく、たくさんの人が集まってきました。うわさが広がったのです。すごいスピードで。

うわさが広がって欲しいとは考えていましたし、この神秘を楽しんでもらうためミステリーサークル発見の動画も作っていましたが、正直なところ、これほどの大騒ぎになるとは予想していませんでした。たちまちのうちに世界中でニュースになり、モンゴルやハンガリーなどのテレビやウェブサイトにまで取りあげられたのです。

取材に応えて「宇宙人のしわざに違いない」と答えた人がかなりたくさんいました。農家がミステリーサークルをすき込んだときには、CNNの記事に対し、「人類には作れないほど高性能な集積回路をすき込むとはなにごとか」と怒りのコメントが寄せられたりもしました。

もちろん、あのパターンに隠されたヒントに気づいた人もたくさんいました。サークル周囲の「軌道」部分に作られた円の位置を時計として読むと192になりますし、数字の192が点字でくり返されていたりもします。

NVIDIAでは、すぐに真相を明らかにするのはやめようと考えました。神秘的なものが大好きな人々が――その多くはNVIDIA製品のファンでもあります――とても楽しんでくれていたからです。

これはいったいなにを意味するのだろう? この数字は、未知の力を持つ遺物を指しているのではないか? それとも、7月に開催されたSIGGRAPHというグラフィックス業界の会議でNVIDIAの次世代モバイル・プロセッサには192個のGPUコアが搭載されると発表されたが、それとなにか関係があるのだろうか?

ご明察の通り、です。