並列プログラミングを容易にするCUDA 4.0がリリース|NVIDIA
 

並列プログラミングを容易にするCUDA 4.0がリリース

 
 

Unified Virtual Addressing、GPU間通信、拡張C++ Templateライブラリーで GPUコンピューティングの活用を推進

2011年2月28日 - カリフォルニア州サンタクララ - NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、NVIDIA GPUによる並列処理アプリケーションを開発するNVIDIA® CUDA®ツールキットの最新バージョンを発表しました。

NVIDIA CUDA 4.0ツールキットは並列プログラミングを簡単にできる工夫がされており、従来よりも多くのアプリケーションをGPUへポーティングすることができます。主な工夫としては、以下の3点が挙げられます。

  • NVIDIA GPUDirect 2.0テクノロジー-同じサーバあるいはワークステーションに搭載されたGPU同士でピアツーピアの通信が行えます。この結果、マルチGPUのプログラミングが容易になって開発期間が短縮されるほか、アプリケーション・パフォーマンスも向上します。
  • UVAUnified Virtual Addressing-メインのシステム・メモリーとGPUメモリーの両方をひとつのアドレス空間としてカバーし、並列プログラミングをすばやく簡単に行えるようにします。
  • Thrust C++ Template Performance Primitivesライブラリー-オープンソースのパワフルなC++並列アルゴリズムとデータ構造を提供します。Thrustライブラリーを使うとC++による開発がやりやすくなるほか、並列ソートなどのルーチンの処理がSTL(Standard Template Library)やTBB(Threading Building Blocks)の5倍から100倍と高速になります。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のシニアリサーチプログラマー、ジョン・ストーン(John Stone)氏は、次のように述べています。「Unified Virtual AddressingとGPU間高速通信が使えるようになると、GPUの並列処理機能を簡単に活用できるようになります。」

Quantifi社Rates製品担当ディレクター、ピーター・デクレム(Peter Decrem)氏は、次のように述べています。「標準テンプレートのインターフェースからGPUコンピューティングにアクセスできると、シンプルなキャッシュフローの計算からLIBORマーケット・モデルや変額年金、CVA調整といった複雑な計算にいたるまで、さまざまなタスクの生産性が大幅に向上します。今回はThrust C++ライブラリーが登場し、参入障壁が大きく下がりました。メモリーのアクセスや割り当てなどのローレベル機能をライブラリーが処理してくれるので、金融エンジニアはGPUを活用する環境でアルゴリズムを開発することに集中できるからです。」

今回リリースされたCUDA 4.0アーキテクチャには、このほかにもさまざまな新機能が用意されています。

  • CUDAアプリケーションへのMPI統合-OpenMPIなどの拡張MPI実装では、アプリケーションがMPIのSendやRecvをコールしたとき、GPUメモリーとのデータのやりとりが自動的にInfiniBand経由で行われます。
  • GPUのマルチスレッド共有-複数のCPUホストスレッドでひとつのGPUのコンテキストを共有することができます。マルチスレッド・アプリケーションからひとつのGPUを使う処理が簡単になります。
  • シングルCPUスレッドによるマルチGPU共有-ひとつのCPUホストスレッドから、システムに用意されたGPUのすべてにアクセスすることができます。アプリケーションにおける「HALO」交換などのタスクを複数GPUの連携で簡単に処理できるようになります。
  • NPPイメージとコンピュータービジョンの新しいライブラリー-画像の変換操作各種が用意されたライブラリーで、画像処理やコンピュータービジョンのアプリケーションをすばやく開発することができます。
  • その他の新機能や機能改良
    • Visual Profilerに自動パフォーマンス解析機能が搭載されました。
    • cuda-gdbに新機能が追加されるとともにMacOSがサポートされました。
    • new/deleteや仮想関数などのC++機能がサポートされました。
    • GPUバイナリの逆アセンブラが用意されました。

CUDA Toolkit 4.0は、2011年3月4日よりリリース候補版をwww.nvidia.com/paralleldeveloperから無償でダウンロードできます。なお、CUDA登録開発者プログラムへの参加が必要です。CUDA登録開発者プログラムに参加すると、並列処理アプリケーションの開発に関するさまざまなツールやリソース、情報が得られ、CUDAの可能性を最大限に活用することができます。

CUDA Toolkitの特徴や機能およびGPGPUアプリケーションの詳細については、www.nvidia.co.jp/cudaをご覧ください。

NVIDIA について

NVIDIAは、1999年にグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を発明した時、コンピュータグラフィックスのパワーを世界に目覚めさせました。それ以来、ポータブルメディアプレイヤーからノートブック、ワークステーションまで幅広い範囲におけるインタラクティブなグラフィックス機器で、継続的かつ驚異的なビジュアルコンピューティングの新しい標準を創り上げてきました。NVIDIAのプログラム可能なGPUの専門的技術は、費用のかからない安価な、そして幅広いアクセスができるスーパーコンピュータによる並列処理の進歩を続けています。米国で保有する特許は1,600以上で、近代的なコンピューティングの基礎となった発見や設計に関するものもあります。より詳しい情報については、www.nvidia.com あるいは日本語サイト//www.nvidia.co.jpをご覧ください。

本参考情報に記載されている記述の中には、NVIDIA CUDA 4.0 およびNVIDIA GPUの利点、特徴、モダンコンピューティング上における企業特許の効果など、これらに限らず、将来予測的なものが含まれており、予測とは大幅に異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。これらのリスクと不確実性に関してはこれらに限らず、より効率かつ迅速な技術開発、並列処理におけるCPUの採用、デザイン、製造、あるいはソフトウェアの欠陥、技術開発および競合による影響、ユーザの嗜好および需要の変化、競合製品のユーザの採用、業界標準およびインターフェースの変更、システムを統合する際の当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスの損失などがあり、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-Kの2010年10月31日を末日とする四半期レポートなど、米証券取引委員会(SEC)に提出されているNVIDIAの報告書に適宜記載されます。これらの将来予測的な記述は発表日時点での見解に基くものであり、NDIVIAはこれらの記述を更新する一切の義務を負いません。

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