NVIDIAチーフ・サイエンティスト、ビル・ダリー 日本の情報処理学会からコンピュータ・サイエンスの賞を受賞|NVIDIA
 

NVIDIAチーフ・サイエンティスト、ビル・ダリー 日本の情報処理学会からコンピュータ・サイエンスの賞を受賞

 
 

並列処理の進歩に対する貢献により船井業績賞が授与される

Bill
Bill

2015年9月16日 - カリフォルニア州サンタクララ -NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、NVIDIAで研究担当上級副社長を務めるチーフ・サイエンティスト、ビル・ダリー(Bill Dally)が、コンピュータ・サイエンスと教育の分野で多大な業績を上げたとして、日本の一般社団法人情報処理学会(IPSJ)から船井業績賞を贈られたと発表しました。

日本人以外の科学者に船井業績賞が贈られるのは、2003年に著名なコンピュータ科学者のマービン・ミンスキー氏以来のことです。情報処理学会は日本最大のIT学会で、船井業績賞は2002年から毎年ひとりに贈られています。

今回の受賞理由は、コンピュータ・アーキテクチャに関する業績、特に、並列処理分野と超大規模集積回路(VLSI)の処理に関する業績です。また、マサチューセッツ工科大学(MIT)とスタンフォード大学で教育に貢献してきたこと、NVIDIAチーフ・サイエンティストとして業界においても教育分野で多大な貢献をしてきたことも挙げられています。

船井業績賞は、松山で開かれた情報処理学会の情報科学技術フォーラムにおいて、本日、授与されました。授賞式でダリーは次のように述べています。「コンピュータ・サイエンスの分野で世界有数の権威ある賞をいただけたこと、大変な名誉に感じております。アラン・ケイやマービン・ミンスキーといったコンピュータ・サイエンス界の著名人と同じ賞がいただけるとは思ってもいませんでした。並列処理研究の重要性に着目してくださった情報処理学会には感謝の気持ちでいっぱいです。」

東京大学情報理工学系研究科研究科長の坂井修一教授は、次のように述べています。「ビル・ダリー氏は、コンピュータ・サイエンスの分野において改良的な研究ではなく革命的な研究に邁進してこられました。」

ダリーは仕事と研究を30年以上も続けてきており、その結果、大型並列コンピュータの大半に使われているシステムやネットワークのアーキテクチャ、信号方式、ルーティング、同期といった技術を開発することに成功しました。Imagineプロセッサも彼の成果です。このプロセッサはストリーム・プロセシング・アーキテクチャを採用しており、ハイパフォーマンス・コンピューティングの世界に高い処理能力とスピード、効率をもたらします。

ダリーは2009年にNVIDIAへ参画しましたが、その前は、スタンフォード大学コンピュータ・サイエンス学科で1997年から教授、2005年から2009年まで学科長を務めていました。MITで研究グループを率い、J-MachineとM-Machineの開発も行いました。プログラミング・モデルからメカニズムを分離した先駆けの並列マシンです。

カリフォルニア工科大学(Caltech)では、MOSSIMシミュレーション・エンジンを設計しました。複雑な超大規模集積回路チップの検証で必要とされるコンピューティング・パワーを提供するエンジンです。複数チャンネルをトラバースする通信のレイテンシを削減できる自己タイミング型チップ、Torus Routingチップも彼が設計したものです。

2010年には、コンピュータ・アーキテクチャの分野で世界一権威があるとされるACM/IEEEエッカート・モークリー賞も受賞しています。授賞式で、ACM(米国計算機学会)とIEEE(米国電気電子技術者協会)は、並列プロセッサでコンピューティングを大きく前進させた「ビジョナリー」だとダリーを評しました。

ダリーが発表した論文は200本あまり、所有する特許も100件を超えます。著書は、Digital Systems Engineering(邦訳は『デジタルシステム工学基礎編・応用編』)、Principles and Practices of Interconnection Networks、Digital Design, A Systems Approachの3冊があります。全米技術アカデミー会員であり、ACM、IEEE、アメリカ芸術科学アカデミー(AAAS)についてはフェローとなっています。2000年にはACMモーリス・ウィルクス賞、2004年にはIEEEシーモア・クレイ賞を受賞しました。

ダリーはバージニア工科大学電気工学科卒業、スタンフォード大学大学院電気工学科修士課程修了後、Caltechでコンピュータ・サイエンスの博士号を取得しています。

NVIDIAについての最新情報:

NVIDIAについて
1993年以来、NVIDIA(NASDAQ: NVDA)は、ビジュアル・コンピューティングという芸術的な科学の世界をリードしてきました。ゲーマや研究者、消費者からエンタープライズ各社にいたるまで、あらゆる人々にとって、ディスプレイの世界はインタラクティブな発見の世界へと変化しつつありますが、その源となっているのがNVIDIAのテクノロジです。詳しい情報は、//nvidianews.nvidia.com///blogs.nvidia.com/をご覧ください。

© 2015 NVIDIA Corporation. All rights reserved. NVIDIA、および、NVIDIAロゴは、米国および/またはその他の国におけるNVIDIA Corporationの商標あるいは登録商標です。その他の企業名および製品名は、それぞれ各社の商標である可能性があります。機能や価格、供給状況、仕様は、予告なく変更される場合があります。