米国、国立研究所にフラッグシップ・スーパーコンピュータ2基を構築|NVIDIA
 

米国、国立研究所にフラッグシップ・スーパーコンピュータ2基を構築

 
 

IBM POWER CPUとNVIDIA GPUアクセラレーターを高速NVLinkインターフェースで結び、現在の最速スーパーコンピュータに比べて3倍の速度を実現する計画

20141114 カリフォルニア州サンタクララ NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、米国エネルギー省が、GPUアクセラレーテッド スーパーコンピュータ、2基の設置計画を公表したと発表しました。そのパフォーマンスは、現在最もパワフルなシステムの3倍以上に達する見込みで、エクサスケール・コンピューティングの時代に大きく一歩近づくことになります。

このスーパーコンピュータは、いずれも2017年に設置が完了する予定で、NVIDIA® Tesla®GPUアクセラレーターとNVIDIA NVLink™高速GPUインターコネクト・テクノロジーを採用した次世代のIBM POWERサーバーがベースとなる計画です。

ひとつはオークリッジ国立研究所に設置される「Summit」システムです。ピーク処理能力が150~300ペタフロップスに達する予定で、オープンサイエンスに活用します。ローレンス・リバモア国立研究所に設置される「Sierra」システムは、ピーク・ペタフロップスが100を優に超え、核の国家的安全保障において中核の役割を担うものとなる予定です。

いま、米国最速のスーパーコンピュータは27ピーク・ペタフロップスを誇るオークリッジ国立研究所の「Titan」、世界最速は広州の国家スーパーコンピューターセンターに中国が設置した55ピーク・ペタフロップスの「天河2号」ですが、SummitとSierraはこれらを大きく上回るシステムとなります。

詳しくはNVIDIAウェブサイトをご覧ください。新システムについての動画もご覧いただくことができます。

NVIDIAのCEO兼共同創立者、ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)は、次のように述べています。「いま最先端で研究されていることは、明日のテクノロジーとなるものです。いま、科学者たちは、量子レベルから地球レベル、さらには銀河レベルで膨大な課題に挑戦しています。その彼らが頼みとしつつあるのが、パワフルなスーパーコンピュータです。NVIDIAは、GPUアクセラレーションという発明を通じ、エクサスケールのスーパーコンピューティングにつながる道を拓きました――想像もできないような発見を可能にするツールを科学者のみなさまに提供しているのです。」

米国がSummitとSierraに対する投資を決定した背景には、エネルギー海外依存度の引き下げ、気候変動を抑える新しいアプローチの開発、燃料効率の大幅な改善、自然災害の予測、核物質の安全な保管方法の開発、経済的競争力の強化などにつながるブレークスルーを達成しようという目的があります。

このシステムは、ハイパフォーマンス・コンピューティングやエンタープライズ・データセンターに適した次世代コンピューティング・ソリューションの開発を目的に作られたオープン開発コミュニティ、OpenPOWER Foundationの成果を活用するもので、IBMとNVIDIAが推進中のパートナーシップが生む最初の大きな成果でもあります。

エクサスケール・コンピューティングに大きく近づく新技術
スーパーコンピューティング・コミュニティーは、何年も前から、エクサスケール・システムの構築に向けて努力してきました。1秒に10の18乗回もの浮動小数点計算が行えるシステムを作ろうというわけです。1秒あたりの浮動小数点演算回数は、FLOPSという単位で数えられます。ふたつの数を掛け合わせるといった演算1回に相当するのが1 FLOPというわけです。

SummitとSierraには数多くのブレークスルー・テクノロジーが必要であり、そういう意味において、エクサスケールのコンピューティングに向けた大きな一歩となります。

ブレークスルー・テクノロジーのひとつが新システムの中核となるNVIDIA GPUとIBM POWER CPUを結ぶ高速GPUインターコネクトのNVIDIA NVLinkです。NVLinkではGPUとCPUのデータ共有速度が現在の12倍にスピードアップするので、最終的には、現在の最速システムに比べて50倍から100倍も速いスーパーコンピュータが構築できるものと考えられます。

SummitとSierraには、NVIDIAの未来型GPUアーキテクチャ、Volta™が採用されます。このアーキテクチャは、いまのMaxwell™アーキテクチャに対してはもちろん、次世代のPascal™アーキテクチャに比べてもパフォーマンスが格段に高くなります。SummitとSierraのピーク浮動小数点処理能力の90%以上は、現状より段違いに高い計算処理パフォーマンスを持つNVIDIA GPUが提供するのです。

 

オークリッジ国立研究所OLCF(Oak Ridge Leadership Computing Facility)のプロジェクト・ディレクタ、バディ・ブランド(Buddy Bland)氏は、次のように述べています。「当施設を利用している人々は、科学的にとても複雑な課題に取り組んでおり、国家目標を達成するためきわめてパワフルなコンピュータを必要としています。Summitで予定されているパフォーマンスは、このような目標の達成を可能にするきわめてパワフルなツールを提供してくれるこれらのテクノロジーを組み合わせなければ得ることのできないものです。」

オープンサイエンス向けコンピューティングを加速するSummit
Summitは、Titan同様、オープンサイエンス専用となります。つまり、活用するチャンスは世界中の研究者に開かれているのです。エネルギー効率の面でも従来と一線を画すシステムとなり、Titanに比べて5倍から10倍のパフォーマンスをわずか10%増しの電力で提供できる予定です。

国の安全保障を支えるSierra
Sierraは、ローレンス・リバモア国立研究所の最速システム、「Sequoia」(20ペタフロップス)に対して5倍から10倍のパフォーマンスとなる計画です。核実験なしで安全かつ効果的に核抑止力を保つこと、また、大量破壊兵器の世界的な拡散を防止することを目的とした国家核安全保障局のプログラムで活用される予定です。

エクサスケール・コンピューティングの可能性と課題
エクサスケールのスーパーコンピュータが実現すれば、疾病治療方法を開発する、人間の脳に関する知見を深める、気候変動の影響を多少なりとも緩和する、宇宙の成り立ちについての理解を深めるなど、科学や工学、産業の分野で新たな発見がもたらされるものと期待されています。

ただ、エクサスケール・システムの実現には根本的な課題があります。すなわち、エネルギー消費を最小限に抑えながら高い処理能力を実現しなければならないのです。このようなタスクには、GPUアクセラレータが最適です。NVIDIAの最新GPUアクセラレータを採用したエクサスケール・システムなら、x86 CPUベースのシステムに比べて消費電力が1/5程度となるため、とても高いエネルギー効率でパフォーマンスを発揮するシステムを設計することができます。

NVIDIA Teslaアクセラレーテッド・コンピューティング・プラットフォームについて
Teslaアクセラレーテッド・コンピューティング・プラットフォームは、コンピューティング・プラットフォーム、計算科学、スーパーコンピューティング、エンタープライズ、複雑なデータ解析、機械学習などのアプリケーションに高い電力効率で対応できるように基礎から設計したプラットフォームで、CPUのみのアプローチよりも劇的に高いパフォーマンスが得られます。世界最速のGPUアクセラレータと高度なシステム管理機能、高速通信技術、そして、世界一普及している並列処理モデルのNVIDIA CUDA®が一体となっているからです。

NVIDIAの最新情報は、以下の方法で入手できます。

NVIDIAについて
1993年以来、NVIDIAはビジュアルコンピューティングにおける、芸術と科学の先駆者であり続けています。NVIDIAのテクノロジは、ゲーマーから科学者、消費者から企業顧客にいたるまで、すべての人々にとって、ディスプレイの世界を双方向的発見の世界へ一変させています。当社の詳細についてはwww.nvidia.co.jpおよび//blogs.nvidia.com、または日本語サイト//www.nvidia.co.jpをご覧ください。

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