NVIDIAとパートナー各社、NAB 2012でコンテンツ制作ワークフローの全体を変革|NVIDIA
 

NVIDIAとパートナー各社、NAB 2012でコンテンツ制作ワークフローの全体を変革

 
 

クリエイティブなプロフェッショナル、GPUコンピューティングでスピードと品質、生産性を向上

2012年4月16日 - NAB 2012(ラスベガス) -NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、コンテンツ・クリエーター各社がNVIDIA® Quadro® GPUとTesla™ GPUによるGPUコンピューティングを導入し、ワークフローのスピードや品質、生産性を高めていると発表しました。導入は、2012年にオスカー賞を獲得したLucasfilm社のIndustrial Light & Magic(『ランゴ』)やPixomondo(『ヒューゴの不思議な発明』)から新進の独立系クリエーターであるBandito Brothers(『ネイビーシールズ』)、そしてDawnrunner ProductionsやDigital Spatulaなどのクリエイティブ・サービス・ショップに至るまで幅広いコンテンツ・クリエーターに広がっています。

特殊効果スタジオ、ポスト・プロダクション・ハウス、広告代理店、映画スタジオは、限られた予算で優れたコンテンツをすばやく制作することが強く求められています。そのため、各社はNVIDIA GPUテクノロジを採用し、いままではスーパーコンピューターや高価なCPUを数多く使用したラック満載のコンピューターでなければできなかったタスクを並列処理で行い、コンテンツ制作のワークフローを変革しているのです。

LucasfilmのCTO(最高技術責任者)、デイブ・ストーリー(Dave Story)氏は、次のように述べています。「GPUコンピューティングは、当社のイノベーション・ロードマップの鍵を握る要素です。当社はブレークスルーの実現で知られていますが、そのようなブレークスルーを実現するため、当社では、アーティストが利用するツールやテクノロジが最高の品質や効率をもたらすものであるか否かを常にチェックしています。そのようなわけで、当社はいま、独自ツールを開発したり商用ソフトウェアを利用したりして、NVIDIAのQuadro GPUとTesla GPUの両方とNVIDIA CUDAアーキテクチャで利用できる膨大なパワーを活用しているのです。」

高解像度カメラ・データのインポートや処理からポスト・プロダクション・プロセス全体に至るまで制作プロセスを改善するため、大手ソフトウェア・プロバイダー各社は、GPUによる高速化に対応した製品の拡充に努めています。たとえばAdobe® Systems社は、NVIDIA GPUに対応した画期的なAdobe® Creative Suite® 6をもうすぐリリースするとして、NABに出展しています。この結果、Adobe Premiere® Pro CS6、Adobe SpeedGrade® CS6、Adobe Photoshop® CS6などが高速化されます。中でもAdobe After Effects® CS6では、NVIDIA GPUで実行速度が27倍にもなった(注1)新しい3Dレイトレーシング機能が利用できます。

Digital Spatula社のシニア・クリエイティブ・ディレクター、スティーブ・テイラー(Steve Taylor)氏は、次のように述べています。「私は毎日After Effectsを使っており、仕事の90%は大量のモーショングラフィックスと膨大なビデオ編集を行うポスト・プロダクションです。今度のAfter Effectsに搭載された新しい3Dレイトレーシング機能をNVIDIA Maximus対応ワークステーションで利用すると、いままでよりも短い時間でずっと多くの処理を行うことができます。おかげで、プロジェクトのもっとクリエイティブな側面についていろいろと考える時間的余裕が得られました。アニメーション化した魅力的な3Dのテキストやロゴを作りたい場合も、ほかの3Dアプリケーションに切り替えるという面倒なこともしなくてよくなりました。ものすごく高速、効率的で使いやすいというのもAfter Effects CS6の魅力ですが、それだけでなく、品質の高い成果物の制作に集中できる時間も増えるのがすばらしいと思います。」

NVIDIA Maximusテクノロジ
コンテンツ・クリエーター各社がNVIDIA GPUテクノロジを採用する背景には、高性能な並列処理とグラフィックスをひとつのシステム、多くの場合はひとつのワークフローで実現すれば事業的に大きな価値が生まれるという理由があります。

NVIDIA Maximus™テクノロジはNVIDIA Quadroによるプロフェッショナル・グラフィックスとNVIDIA Teslaによる並列処理を1台のワークステーションで組み合わせるため、バックグラウンドで特殊効果のレンダリングを行いながらモーショングラフィックスを制作するといったことが可能になります。アーティストのインタラクティビティに悪影響が出ることはありません。

Dawnrunner Productions社CEO(最高経営責任者)のジェームス・フォックス(James Fox)氏は、次のように述べています。「レンダリングに32時間もかかったジョブを明日の朝までに修正してほしいとクライアントに言われたことがあるのです。不可能だと思いました。でも、ちょうどMaximusシステムを導入したところだったので、それをそのまますぐプロダクションに使えば、もしかしたら間に合うかもしれないと思いました。そのシステムでAdobe CS5.5とAutodesk 3ds Maxを走らせたところ、余裕をもってジョブを完了できました。Maximusテクノロジなしではとうてい不可能なことでした。」

NAB 2012では、Adobe、Blackmagic Design (DaVinci Resolve)、Chaos Software (V-Ray RT)、Cinnafilm (Dark Energy)、eyeon Software (Fusion)、GenArts (Sapphire)、Quantel (Pablo)など数多くの企業がNVIDIA Maximusテクノロジーをサポートした製品を発表しています。

Blackmagic Design社CEO(最高経営責任者)のグラント・ペティー(Grant Petty)氏は、次のように述べています。「NVIDIAの新しいWindows用Maximus構成をDaVinci ResolveでサポートできることをBlackmagic Designとして大変うれしく思っています。NVIDIA Quadro GPUとTesla GPUを1個ずつ搭載してResolveを走らせると、非圧縮のRGB HD解像度ビデオにリアルタイムの色補正とイメージ・ブラーを5レイヤーもかけて24fpsを得るなど、信じられないほど高性能な色補正機能が利用できます。Quadro GPUが1個とTesla GPUが4個あれば、ResolveでHDビデオに20レイヤー以上もの色補正をリアルタイムにかけることができます。」

NVIDIAのメディア&エンターテイメント担当役員、グレッグ・エステス(Greg Estes)は、次のように述べています。「昨年のNAB 2011から今日までのわずか1年で、GPUコンピューティングを導入したソフトウェア・ベンダーは倍増しました。コンテンツ制作にかかわるところがGPUコンピューティングに最適なアーキテクチャーはNVIDIA CUDAだと考えていることは明らかであり、その状況をうけてソフトウェア・パートナー各社は、このトレンドの最前線を走れば事業を成長させられると考えているわけです。」

NVIDIAのQuadro GPUとTesla GPUは、いずれも、画期的なNVIDIA CUDA®アーキテクチャを搭載しています。NVIDIA Quadro GPUはまた、ユニークな3D機能やローレイテンシなSDIビデオI/Oに対応しているほか、1システムで4K解像度のディスプレイを複数サポートすることができます。

NAB 2012に出展されているNVIDIA GPUテクノロジー対応のイノベーションについて、その一部をご紹介します。

Adobe社(ブース番号:SL2624)は、もうすぐ発売するAdobe Creative Suite 6 Production Premiumソフトウェアを出展しています。NVIDIA Quadroプロフェッショナル・グラフィックスとNVIDIA Maximusテクノロジに対応した高速化が施されており、Adobe After Effects CS6、Adobe Premiere Pro CS6Adobe SpeedGrade CS6、Adobe Photoshop CS6による処理がスピードアップされます。Adobe社の目玉は、NVIDIA GPUで高速化したAfter Effects CS6の3Dレイトレーシング機能です。Adobe After Effects CS6ではモーショングラフィックスのワークフローをかつてないほどシンプルかつすばやく進めることができます。新しくパワフルな3Dコンポジティング・パイプラインが用意されており、妥協のない高画質を実現可能なレイトレーシングが行えるのです。テキストやシェイプにベベルやエクストルードをかけて組み込む、レンダリングをネイティブ・レイヤーと結合するなどの処理は、いままで、他の3Dツールと行ったり来たりしなければならず時間がかかっていましたが、それがAfter Effects内で直接行えるようになりました。Adobeの新しい「Ray Trace 3D」レンダラーはNVIDIA OptiX™レイトレーシング・エンジンに対応しており、リアルな質感、正確な反射、ソフトな陰影、フィールドの奥行き感、モーションブラーなどをレンダリングすることができます。NVIDIA GPUを使うと新しいレイトレーシングは完全にインタラクティブとなり、6コアCPUのデュアル構成だけの場合に比べて最大27倍もの高速で最終フレームを出力できるようになります1。Adobe Creative Suiteは以前からNVIDIA CUDAで高速化した Mercury Playback EngineがAdobe Premiere Proで使えていましたが、この点は今回のAdobe Creative Suite 6も変わっておらず、ビデオ編集のパフォーマンスが最大で8倍となります(注2)。Adobe After Effects CS6とAdobe Premiere Pro CS6のデモは、NVIDIAブース(SL9215)でもご覧いただけます。

Chaos Groupは、顧客のワークフローに最適なツールの開発を目標に努力している企業です。今回は、業界をリードするV-Rayレンダリング・エンジンでNVIDIA CUDAアーキテクチャをサポートしました。CUDA対応のV-Ray RTなら、NVIDIA GPUのスピードとパフォーマンスを十二分に活用できます。この結果、V-Ray RTの特長である優れた応答性を提供しつつ、従来以上に高い信頼性とパフォーマンス、そしてすばやいGPUサポートを実現できるようになりました。
GPUベースのトランスコーディング、ノイズ低減、フィルム・シミュレーションで世界をリードするCinnafilm社は、イメージ・テクスチャの管理と最適化を行うソフトウェア・プラットフォーム、Dark Energy ProfessionalのデモをNVIDIAブース(SL9215)で展示し、NVIDIA Maximusテクノロジを使えばプロフェッショナルがポテンシャルの限界までスピードアップできることを示しています。

IP接続された閲覧デバイスであればどのようなものにも映像が配信できるマルチスクリーン対応コンテンツ配信ビデオ・ソリューションの大手サプライヤー、Elemental Technologies社(ブース番号:SU10012)は、ライブイベントの制作に用いる高性能ソリューションをNVIDIAブース(SL9215)に展示しています。このソリューションには、NVIDIA Tesla GPUデュアル構成の新型Elemental Live 150シリーズが使用されています。Elemental Live 150シリーズはラックマウントあるいはデスクトップで高性能なビデオ処理機能と高いスループットが提供できるシステムで、閲覧時にマルチカメラアングルが利用できるストリームをライブイベントの制作で出力できます。

eyeon Software社は、NVIDIA GPUテクノロジを活用し、映画や3D映像、放送用映像などの制作でVFXを利用する際、必要となる高い処理能力が得られる画像の処理・管理アプリケーション各種を提供しています。今回、eyeon Software社のFusion 3DレンダラーがCUDAアーキテクチャーに対応した結果、大幅なスピードアップが実現され、高速な包括的ポストプロダクション・アプリケーションというFusionの評価がさらに高まるものと思われます。

GenArts社(ブース番号:SL2205)は、業界トップクラスのアーティストに堅牢な特殊効果ツールを提供する企業です。ツールは、主なホスト・アプリケーションに対応しています。人気のSapphireプラグインは以前からNVIDIA CUDAアーキテクチャーを活用したGPUによる高速化に対応していましたが、今回、NVIDIA Maximusテクノロジもサポートしました。Sapphireでワークフローをスリム化している業界のプロフェッショナルは、今後、ビデオ編集ソフトウェアやコンポジティング・ソフトウェアで特殊効果を制作する際、かつてないほどの生産性を手にすることができます。

世界150カ国以上で政府調達と一般市場の両方に浸透しているHarris社(ブース番号:N2502/Diamond 2/N3400)は、今回、ライブ・グラフィックス・システムのInscriber G8とTitleOne AE、両方について新機能を展示しました。Inscriber G8はハイエンドのグラフィックス制作用で、NVIDIA CUDAテクノロジ対応のNVIDIA Quadro 4000プロフェッショナルGPUを搭載した結果、チャンネル・ハードウェアが大きく簡素化され、フットプリントが大幅に削減されるとともに(2RU)、消費電力も減少しました。一方、パフォーマンスやクリップ再生のスケーラビリティは改善され、高い処理能力を必要とする複雑な3Dグラフィックスや3Dアニメーションの制作に最適なシステムとなりました。TitleOne AEは前身のTitleOneグラフィックス・システムに高性能なNVIDIA Quadro 600プロフェッショナルGPUを搭載し、処理能力を強化して柔軟性を高めた改良版で、リアルタイムのシングルチャンネルHD/SDあるいはSDのみの2D-in-3Dグラフィックスに対応できる高度なグラフィックス制作機能を提供します。

Marquise Technologies社(ブース番号:SL9109)は、ポスト・プロダクション用のハイエンド・ソリューションを開発している企業です。今回のNABには、リアルタイムのディベイヤリング・エンジン、Mosaicを出展しています。MosaicはNVIDIA QuadroプロフェッショナルGPUによる高速処理専用で、ARRIRAW、Phantom、Adobe DNG Converterに適用することができます。NVIDIA GPUとCUDAアーキテクチャが持つすさまじい処理能力を活用し、Marquise Technologies社は、帯域幅やボトルネックの解消などを心配することなく、独自のディベイヤリング・アルゴリズムで複雑な処理を行えるようになったのです。この結果、RAWからRGBへ画像を変換する際、精度が従来よりも高くなりました。しかも、リアルタイムに処理が行えます。

Perceptive Pixel社(ブース番号:SL1629MR)は、インターアクション・デザインのリーダーとして有名な企業で、今回のNABでは、27インチ、超高解像度のプロフェッショナル用マルチタッチ・デスクトップLCDをNVIDIAブース(SL9215)に展示しています。Perceptive Pixel社では、NVIDIA Quadro GPUとSDIキャプチャカードを活用してマルチタッチを処理し、ベストなグラフィカル・タッチ体験を実現しています。

Quantel社(ブース番号:SL2415)は、放送、ポストプロセス、デジタル画像処理などのコンテンツ制作システムで世界をリードする企業で、そのシステムは世界各地の放送局やポストハウスに導入されています。そのQuantel社が新しく発表した色補正ソフトウェア、PabloはマルチGPU処理を活用しており、次世代の非線形色補正が行えます。NVIDIA Maximusテクノロジに対応した新しいPabloのデモをご覧になれば、効率の高い仕上げワークフローで非常に高いフレームレートが実現できることがおわかりになるはずです。HD、2K、4K、立体3Dのビデオやフィルムの色補正や仕上げを行うカラリストにとって完璧なソリューションなのです。

NAB 2012では、このほか、NVIDIA GPUDirect™ for Videoテクノロジーも、AJA Video Systems社Bluefish444社(ブース番号:SL9309)、Deltacast社(ブース番号:SL8006)、Matrox社(ブース番号:SL5115)がデモを展示しています。

詳しい情報は、www.nvidia.co.jp/workstationをご覧ください。

NVIDIAのワークステーションやQuadroについての情報はYouTubeにもあります。ツイッターは@NVIDIAQuadroです。

注1:試験はIntel Xeon 5690 3.47GHz CPUのデュアル構成(12コア)で行いました。
注2:Intel Xeon W5580 3.20GHz CPUのデュアル構成(8コア)との比較です。

About NVIDIA
1999年、NVIDIAによるグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の発明が、世界中の人々にコンピュータグラフィックスの可能性を認識させることとなりました。今日、NVIDIAのプロセッサはスマートフォンからスーパーコンピューターまでの幅広い製品に、またモバイル・プロセッサは携帯電話、タブレット、および車載インフォテインメント・システムに搭載されています。なかでもPCゲーム分野ではリアリティあふれる仮想空間の実現によって多くのゲーマーを魅了しています。専門的な分野では、映画製作における高度な視覚効果や3Dグラフィックスをはじめ、ジャンボジェット機からゴルフクラブにいたるまであらゆるものの開発に役立っているほか、より高性能なコンピューターを必要とする先端科学の研究者にも利用されています。NVIDIAが保有する特許は申請中のものも含めると4,500件以上に上っており、近代的なコンピューティング技術の基礎となっているものも数多く含まれています。当社の詳細については//www.nvidia.co.jpまたは日本語サイト//www.nvidia.co.jpをご覧ください。

# # #

本参考情報に記載されている記述の中には、Quadro およびQuadro、Tesla GPU、NVDIA Maximus technologyおよびCUDAに関する特許の影響など、これらに限らず、将来予測的なものが含まれており、予測とは大幅に異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。これらのリスクと不確実性に関してはこれらに限らず、世界的な経済環境、サードパー ティーに依存する製品の製造、組立、梱包、試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジーの開発あるいは既存の製品やテクノロジーの改 良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン、製造、あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェースの変更、システムを統合する際の当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスの損失などがあり、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-Kの2012年1月29日を末日とする会計年度レポートなど、米証券取引委員会(SEC)に提出されているNVIDIAの報告書に適宜記載されます。 これらの将来予測的な記述は発表日時点での見解に基づくものであり、NDIVIAはこれらの記述を更新する一切の義務を負いません。

Copyright® 2012 NVIDIA Corporation. All rights reserved. NVIDIA、NVIDIAのロゴ、GPUDirect、Maximus、 OptiX、 Quadro、TeslaおよびCUDAは、米国およびその他の国におけるNVIDIA Corporationの商標または登録商標です。その他の会社名および製品名は、それぞれの所有企業の商標または登録商標である可能性があります。機 能、価格、可用性、および仕様は予告なしに変更されることがあります。