NVIDIA、ロボタクシーを実現する世界初の AI コンピューターを発表|NVIDIA
 

NVIDIA、ロボタクシーを実現する世界初の AI コンピューターを発表

 
 

25 社を超える企業が NVIDIA CUDA GPU 上でレベル 5 のロボタクシーの開発を推進

ドイツ、ミュンヘン — GTC Europe (2017 年 10 月 10 日) — NVIDIA (NASDAQ: NVDA) はこのたび、完全自律型のロボタクシーを実現するために設計された、世界初の人工知能 (AI) コンピューターを発表しました。

「Pegasus」というコードネームを持つこの新システムは、NVIDIA® DRIVE™ PX AI コンピューティング プラットフォームを拡張し、レベル 5 の自動運転車に対応します。NVIDIA DRIVE PX Pegasus は、毎秒 320 兆回を超える演算が可能で、前バージョンである NVIDIA DRIVE PX 2 の 10 倍を超えるパフォーマンスを発揮します。

NVIDIA DRIVE PX Pegasus によって、運転手なしで走行可能な新しいクラスの車両、つまり、ハンドル、ペダル、ミラーがなく、リビング ルームやオフィスのような内装を備えた完全な自動運転車を実現できます。それらの車両は、オンデマンドで配車され、利用者を目的地まで安全にすばやく送り届けることで、お年寄りや体の不自由な人をはじめ、すべての人に移動手段をもたらします。

ドライバーは、毎日の通勤のための運転時間を仕事や遊び、食事、睡眠に充てることで、これまでに失った数百万単位の時間を取り戻すことができるでしょう。そして、このような車両では疲労や能力の低下、不注意が起こらないため、無数の命が救われます。交通の安全性が高まり、渋滞が和らぎ、現在駐車場として使われている貴重な土地が解放されるはずです。

NVIDIA DRIVE PX プラットフォーム上で開発を進める 225 社のパートナーのうち、25 社を超えるパートナーが、NVIDIA CUDA GPU を利用した完全自律型ロボタクシーの開発を進めています。現在、それらの車両のトランクは、ディープラーニング、コンピューター ビジョン、並列コンピューティングのアルゴリズムを実行する、サーバークラスの NVIDIA GPU を搭載したコンピューターが配置されたラックが積み込まれ、まるで小さなデータ センターのようです。サイズや必要な電力が大きすぎ、またコストも高すぎるため、それらの車両は、量産車として非現実的です。

ロボタクシーには膨大なコンピューティング能力が必要になります。高解像度の 360 度サラウンド カメラと LIDAR によって世界を認識し、センチメートル単位の精度で自車の位置を特定し、自車の周囲に存在する車両や人を監視し、目的地までの安全で快適な経路を計画するためです。このすべての処理を多層的な冗長性によって実行し、最高レベルの安全性を確保しなければなりません。したがって、無人自動車には、現在の最先端自動車の優に 50 ~ 100 倍に相当するコンピューティング能力が必要になるわけです。

NVIDIA の創業者兼 CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、次のように述べています。「完全な自動運転車の開発は、社会におけるもっとも重要な試みの 1 つであり、きわめて実現が難しい課題の 1 つでもあります。Pegasus が誇る画期的な AI コンピューティングの性能と効率は、業界がこのビジョンを実現するうえで不可欠なものです。」

「無人自動車によって、新しい自動車相乗りサービスやカー シェアリング サービスが可能になるほか、オフィス、リビング ルーム、ホテルの客室のような内装を備えた、これまでにないタイプの自動車が考案されるでしょう。乗客は目的地やその道中で予定している活動に合わせて、希望する車両タイプの配車を依頼するだけですみます。その結果、社会の未来が再構築されるでしょう」と、フアンは言います。

業界の幅広いサポート

ほぼすべての自動車メーカーや、「サービスとしての輸送」を提供する企業のほか、スタートアップ企業さえもが、レベル 5 車両の開発で NVIDIA の AI を採用しています。

「NVIDIA はやってくれました。DRIVE PX Pegasus のおかげで当社はレベル 5 を達成できるでしょう。」
— Zoox、創業者兼 CEO、ティム ケントリー クレイ (Tim Kentley-Klay) 氏

「当社では、NVIDIA DRIVE PX Pegasus を自律走行車の運用環境に投入する予定です。」
— Optimus Ride、社長兼共同創業者、サータック カラマン (Sertac Karaman) 氏

「NVIDIA DRIVE PX Pegasus プラットフォームの画期的な AI パフォーマンスと機能によって、当社の自律型トラック車両の信頼性と安全性を保証できるようになります。」
— TuSimple、CTO、シャオディ ホウ (Xiaodi Hou) 氏

「NVIDIA DRIVE PX 2 は、当社の自動運転プロトタイプの頭脳です。だからこそ、NVIDIA DRIVE PX Pegasus を手にするのが待ちきれません。」
— Yandex.Taxi、自動運転担当責任者、ドミトリー ポリスチャク (Dmitry Polischuk) 氏

「NuTonomy は、レベル 5 に対応するシステムの構築を進めています。Pegasus は、そのようなシステムのサポートに必要とされるプラットフォームなのです。」
— NuTonomy、CEO 兼共同創業者、カール アイアグネマ (Karl Iagnemma) 氏

IHS Markit の主席アナリスト (senior principal automotive analyst) であるルカ デ アンブロッギ (Luca De Ambroggi) 氏は、次のように述べています。「現在、数十社の企業が先を争ってロボタクシーを開発していますが、完全無人車が必要とする膨大なコンピューティング パワーが原因で、今なお先に進むことができません。新しい NVIDIA DRIVE PX Pegasus は、このすばらしいビジョンの実現に取り組む自動車メーカー、スタートアップ、そして自動車業界のエコシステムに、生産への道筋を示すでしょう。」

製品の仕様

NVIDIA DRIVE PX Pegasus は、高性能 AI プロセッサを 4 基搭載しています。NVIDIA の最新の、Xavier システムオンチップ プロセッサ 2 基 (NVIDIA Volta アーキテクチャに基づく組み込み GPU を搭載)と、ディープラーニングやコンピューター ビジョンのアルゴリズムを加速させるために開発されたハードウェアを備えた次世代ディスクリート GPU 2 基を接続しています。このシステムは、完全自律型の車両に適した膨大なコンピューティング能力を、ナンバー プレートサイズのコンピューターで提供し、エネルギー消費量とコストを大幅に低減します。

Pegasus は、ASIL D の認証 (業界最高の安全性レベル) に対応するよう設計されており、CAN (コントローラー エリア ネットワーク) や Flexray のほか、カメラ、レーダー、LIDAR、超音波の 16 の専用高速センサー入力を含む自動車入出力とともに、複数の 10 ギガビットのイーサネット コネクタをサポートします。その統合されたメモリ帯域幅は、1 秒あたり 1 テラバイトを超えます。

NVIDIA DRIVE PX プラットフォーム

NVIDIA DRIVE PX プラットフォームは、レベル 2+ / レベル 3 の性能を提供する単一モバイル プロセッサ構成から、完全なレベル 5 の性能を提供する複数のモバイル プロセッサとディスクリート GPU を組み合わせた構成まで対応しています。これらの構成は、単一のオープン ソフトウェア アーキテクチャ上で動作します。これにより、自動車メーカーとティア 1 サプライヤーは、AutoCruise (高速道路向け) から、AutoChauffeur (2 地点間走行向け)、Pegasus (完全自律型車両向け) に至るまで、幅広い自動運転ソリューションを開発から生産へと移すことができます。

NVIDIA DRIVE PX は、NVIDIA の幅広い AI コンピューティング ソリューション ファミリに含まれます。データ センター内の NVIDIA DGX-1™ AI スーパーコンピューター上でディープ ニューラル ネットワークのトレーニングを行っているデータ サイエンティストは、車内の NVIDIA DRIVE PX もシームレスに操作できます。その統合アーキテクチャによって、データ センターで稼働しているものと同じ NVIDIA DRIVE ソフトウェア アルゴリズム、ライブラリ、およびツールが車内でも動作します。

この Cloud-to-Car アプローチにより、車両が無線でのアップデートを受信できるようになるため、自動車に新しい機能をライフサイクル全体にわたって追加し続けることができます。

供給状況

NVIDIA Pegasus は、2018 年後半に自動車業界の NVIDIA パートナー様向けに提供が開始されます。また、NVIDIA DriveWorks ソフトウェアと NVIDIA DRIVE PX 2 から成る構成は、自律走行車およびアルゴリズムに取り組む開発者様向けに、本日から提供されます。詳細については、www.nvidia.com/drive をご覧ください。

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NVIDIA について
NVIDIA が 1999 年に開発した GPU は、PC ゲーム市場の成長に拍車をかけ、現代のコンピューター グラフィックスを再定義し、並列コンピューティングを一変させました。最近では、GPU ディープラーニングが最新の AI、つまりコンピューティングの新時代の火付け役となり、世界を認知して理解できるコンピュータ、ロボット、自動運転車の脳の役割を GPU が果たすまでになりました。今日、NVIDIA は「AI コンピューティング カンパニー」として知名度を上げています。詳しい情報は、//www.nvidia.co.jp/ をご覧ください。

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NVIDIAのテクノロジを利用してロボタクシーの開発を進める企業、自動運転車を開発する重要性、および NVIDIA Pegasus プラットフォームと DRIVE PX プラットフォームの利点、影響、機能、性能に関する記述を含め (ただし、これらに限定されません)、本プレスリリースに記載されている記述の中には、将来予測的なものが含まれており、予測とは著しく異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。かかるリスクと不確実性は、世界的な経済環境、サードパーティに依存する製品の製造・組立・梱包・試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン・製造あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザーの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェイスの変更、システム統合時に当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスにより生じる損失などを含み、その他のリスクの詳細に関しては、Form10-Q の 2017 年 7 月 30 日を末日とする四半期レポートなど、米証券取引委員会 (SEC) に提出されている NVIDIA の報告書に適宜記載されます。SEC への提出書類は写しが NVIDIA のウェブサイトに掲載されており、NVIDIA から無償で入手することができます。これらの将来予測的な記述は発表日時点の見解に基づくものであって将来的な業績を保証するものではなく、法律による定めがある場合を除き、今後発生する事態や環境の変化に応じてこれらの記述を更新する義務を NVIDIA は一切負いません。

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