GPUを活用して世界最大の人工ニューラルネットワークを構築|NVIDIA
 

GPUを活用して世界最大の人工ニューラルネットワークを構築

 
 

機械学習やデータマイニングをGPUで高速化すると、 物体や音声、オーディオ、画像、動画などの認識機能が劇的に改善される

2013年6月18日 - ISC 2013(ドイツ、ライプツィヒ) - NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、ヒトの脳の学習方法をモデル化できる世界最大の人工ニューラルネットワークをスタンフォード大学の研究チームと共同で構築したと発表しました。それまで最大だったのは2012年にGoogleが構築したニューラルネットワークですが、今回のネットワークは規模がその6.5倍にも達しています。

コンピュータでニューラルネットワークを構築すると、「学習」によって脳の挙動をモデル化し、人間と同じように物体や文字、音声、オーディオなどを認識することが可能になります。

ただ、大規模なニューラルネットワークは構築に膨大なコンピュータ資源を必要とします。たとえばGoogleのニューラルネットワークは、CPUベースのサーバを約1,000台、CPUコアを約16,000個も使用し、さまざまなYouTube動画から猫を認識することに成功しました。このネットワークには、ニューロン間の接続にあたるパラメータが17億もあります。

これに対し、スタンフォード大学人工知能ラボのディレクタ、アンドリュー・ン(Andrew Ng)氏とそのチームは、ネットワークで生成されるビッグデータの処理をNVIDIA GPUで高速処理することにより、わずか3台のサーバでGoogleを上回る規模のネットワークを構築しました。16台のNVIDIA GPUで高速化されたサーバで構築されたニューラルネットワークは、パラメータ数が112億と、2012年に発表されたGoogleネットワークの6.5倍にも達しています。

ニューラルネットワークを大型化してパワフルにすれば、物体の認識といったタスクの精度があがり、人間に近い挙動をコンピュータでモデル化することが可能になります。このスタンフォード大学の研究結果は、昨日、International Conference on Machine Learningで発表されました。

NVIDIA Teslaアクセラレーテッド・コンピューティング・ビジネスユニットのジェネラルマネジャー、スミット・グプタ(Sumit Gupta)は、次のように述べています。「GPUアクセラレータは計算能力がCPUより大幅に高いため、今後、大規模ニューラルネットワークのモデリングが普及していくものと思われます。GPUで高速化したサーバを用い、現実世界の問題を機械学習で解決することが可能となったのです。」

GPUアクセラレータが機械学習を後押し
人工知能(AI)の分野では、最近、機械学習が注目を集めています。機械学習とは、明示的にプログラミングしなくてもコンピュータ処理が行えるようにするもので、いままで、自律走行の自動車や効率的なウェブ検索に利用されたほか、ヒトゲノムの解明にも大きな役割を果たしてきました。学会でも、人間のようなAIを実現するには機械学習が一番適していると考えられています。

この分野でもGPUの利用が進んでいます。音声認識ソフトウェアの開発をリードするNuance社もGPUの活用を進めている1社で、何千時間分もの音声を用いてニューラルネットワーク・モデルをトレーニングし、異なる単語の聞き分けを実現しようとしています。モデルをトレーニングすれば、話された単語のパターンと学習したパターンを比較し、単語が認識できるようになるわけです。

Nuance社のCTO(最高技術責任者)、ヴラド・セノハ(Vlad Sejnoha)氏は、次のように述べています。「モデルのトレーニングは膨大な量のデータを使って行うのですが、GPUを活用するとそのスピードが大幅に向上します。おかげで、新しいアルゴリズムやトレーニング手法をすばやく試してみることが可能になりました。こうして得られたモデルにより、ヘルスケアからエンタープライズ、消費者向けモバイルと、すべての市場において、コア・テクノロジの精度が大きく向上しました。」

NVIDIAは、今週、6月16日から20日までドイツのライプツィヒで開催されている、2013 International Supercomputing Conference (ISC)に出展しています。ブース番号は220番です。

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