UKとタイの研究者、NVIDIA Tesla GPU採用でH1N1の流行に対抗

 
 

高性能GPUクラスタを活用し、変異によるH1N1ウイルスの薬剤耐性に対抗

2012年6月18日 - ISC'12(ドイツ、ハンブルク) -NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、致死性の高い新型インフルエンザウイルスであるH1N1の流行を防止する方法の研究においてNVIDIAのGPUが欠かせない存在になったと発表しました。

H1N1との戦いが難しいのは、このウイルスは急速に変異することが多く、タミフル®(オセルタミビル)やリレンザ®(ザナミビル)といった抗インフルエンザ薬がすぐに効かなくなってしまうからです。

これに対し、英国のブリストル大学とバンコックのバーンソムデーチャオプラヤ・ラチャパット大学チュラロンコン大学の研究者は、H1N1の変異によってウイルスの主要な酵素が化学的・生物学的にどのような構造変化を起こすのかをコンピューター・シミュレーションで検討し、既存の抗インフルエンザ薬に対する抗力のメカニズムを世界で初めて明らかにしました。これはすばらしい成果で、今後、変異に対応して抑制薬をすばやく設計し、疾病の流行による死者を減らす方法の開発につながるものと期待されています。

この研究チームでは、高性能なNVIDIA® Tesla® GPUを搭載した小規模クラスタでAMBER分子動力学アプリケーションを走らせて最先端のシミュレーションを行い、H1N1の抵抗メカニズムを解明しました。サーバ台数はCPUのみのクラスタであれば必要であったはずの1/5まで削減、時間は従来の半分程度まで短縮されました (1)。

研究成果は、Biochemistry誌の最新号に詳しい内容が発表されています。

英国側研究チームの主任研究員、クリストファー・ウッズ(Christopher Woods)博士は、次のように述べています。「4ノード、8GPUのクラスタで複雑なシミュレーションを何回もくり返し行うことができました。あのシステムでなければ、あそこまでのことはとてもできなかったと思います。その結果、ウイルスのさまざまな変異をすべて洗い出して詳しく検討し、抵抗メカニズムの主要ステップを短期間で特定することに成功しました。同等のシステムをCPUのみで構成すると16個から24個のCPUを搭載することになりますが、そのシステムでは倍以上の時間がかかってしまったはずです。またその場合、それほどの時間、クラスタを我々のチームが占有するなど不可能だったでしょう。クラスタの計算時間は大学内のほかの研究者も必要としていますから。」

H1N1インフルエンザは2009年の世界的流行で8900万人が罹患し、18,300人が死亡しました (2)。その後、ウイルスの変異によって抗インフルエンザ薬が効かなくなる仕組みを明らかにしようと世界中の研究者が努力を続けています。しかし、ウイルスは反応が速すぎること、また、デリケートで計測しにくいことから、実験による研究は困難です。また、このようなシステムが検討できる最先端のコンピューター・シミュレーションは、いままで、高価な高性能スーパーコンピューターが使える一部研究者を除いて利用することができませんでした。

NVIDIAのTeslaビジネス担当シニア・ディレクター、スミット・グプタ(Sumit Gupta)は次のように述べています。「生物学的な研究には大型で高価なスーパーコンピューターが必要で、いままで、新薬発見や疾病予防にコンピューター・シミュレーションが利用されることはあまりありませんでした。最近は小型で比較的安価なGPUベースのサーバが登場したので、自分たち専用の高性能システムを用意し、さまざまな科学的研究に活用できるようになりました。」

GPUによる研究の高速化を多くの研究者に活用してもらうため、NVIDIAは、GPU Test Driveプログラムを創設しました。リモートのGPUクラスタを使い、分子動力学シミュレーションのGPUアクセラレーションを計算化学者や生物学者が無料で体験できるプログラムです。詳しい情報が欲しい方や参加申し込みをしたい方は、GPU Test Driveウェブサイトをご覧ください。

About NVIDIA Tesla GPUs
NVIDIA Tesla GPUはNVIDIA CUDA®並列コンピューティング・プラットフォーム採用の超並列アクセラレーターです。Tesla GPUはハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、計算科学、スーパーコンピューティングに対応できるように基礎から設計したプロセッサーで、科学的アプリケーションや商用アプリケーションにおいてCPUのみのアプローチよりも劇的に高いパフォーマンスを提供することができます。

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(1) 研究チームでは、H1N1の変異についてシミュレーションを10回行いました。これだけのシミュレーションをCPUで行うと2カ月かかりますが、今回は約1カ月で完了しました。
(2)出典:CDC.gov: http://www.cdc.gov/h1n1flu/estimates_2009_h1n1.htm

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