速いゲームPCは動画編集・エンコードも速かった!

「高性能なビデオカードやゲーム専用PCは、最新ゲームを快適に楽しむためにある」。確かにこれは正しい。しかし、こうしたゲームが快適に動作するPC環境が、動画の編集やエンコードも得意であることをご存じだろうか? このところビデオカードを用いて高速に動画処理を行なうソフトウェアが相次いで登場し、一躍脚光を浴びている。そして、ゲームの処理が速い高性能ビデオカードほど、動画の処理も速くこなせるのだ。今やゲーマー御用達PCは、動画処理においても無類の性能を発揮し、動画を快適に編集、エンコードしたいユーザーにも支持されるようになっている。もともとPCはさまざまな用途で利用できる汎用性がウリ。「ゲーム向け」、「特定ゲームタイトル推奨」などと銘打たれたマシンでも、まったく問題はない。そんな魅力的なゲームPCの動画活用法をご紹介しよう。

 
ゲームが速いPCは動画の編集・エンコードも速い!
以前は、GPUと言えばグラフィックス描画を行なうためのチップであったが、最近では、これまでCPUが担当していたグラフィックス以外のさまざまな処理を行なう仕組が注目を集めている。とくに動画処理の分野では、CPUよりもGPUで処理したほうが高速なことから、動画編集やエンコード処理にGPUの機能を使えるソフトが続々と登場している。

logo 速さの秘訣:CUDAとは?
グラフィックス描画以外の一般的な処理をGPUに行なわせることをGPUコンピューティングと呼ぶ。このGPUコンピューティングを、開発者になじみ深いC言語ベースで手軽に利用できるようにNVIDIAが提供している仕組がCUDAだ。これを利用することでゲーム以外の一般的なアプリケーションでもGPUの機能を簡単に利用できるようになる。最近では動画関連をはじめとして、写真の処理や物理、天体などのシミュレーションといったさまざまな分野で活用されるようになってきている。

ゲームPCは実はこんなことも得意
HDハンディカムから取り込んだ映像を編集&コンパクト化   悪条件で撮った映像も見違えるほどきれいに   膨大な数の写真を一括管理
HDハンディカムから取り込んだ映像を編集&コンパクト化
HDハンディカムで撮影した映像はファイルサイズが非常に大きく、PCに取り込んでも編集や保管、移動がなにかとめんどうだ。そこで取り込んだ動画の必要な部分だけを編集し、圧縮率の高いファイル形式に変換(エンコード)することで管理や他人への受け渡しが容易になる。この編集やエンコードの処理はかなりヘビーだが、CUDAに対応した高性能ビデオカードがあれば、大幅に高速化できる。
 
悪条件で撮った映像も見違えるほどきれいに
「逆光に気が付かなかった」、「手ぶれが目立つ」といった動画を失敗作とあきらめなくても大丈夫! 最新のCUDA対応ソフトを使えば簡単かつ高速に高品質な動画によみがえらせることが可能だ
 
膨大な数の写真を一括管理
旅行先での記念撮影はもちろん、日々の生活の中でのスナップショットなど、デジタルカメラで撮りためた写真は分かりやすく整理したいもの。ただ、撮影日時やジャンルなどでフォルダを作って分けると「あの友達とのアルバムを作りたい」といったときに複数のフォルダの内容を手作業で確認することになり大変時間がかかる。CUDA対応ソフトを用いれば顔認識によってフォルダ間を超えた写真の自動管理が可能になる。また、写真と動画を組み合わせたフォトムービーの作成が大幅に高速化される。CUDAは一眼レフカメラのユーザーにとっても大変有効なのだ。

このソフトと組み合わせよう!

動画を編集・エンコードするなら!
LoiLo Super LoiLoScope VENUS
直感的に操作できる独特のインターフェースを持つ編集ソフト。広大な作業領域上に、動画ファイルの展開やタイムライン上への配置などをドラッグ&ドロップを利用して簡単に行なえる。編集作業もエフェクトを選択したり、動画再生中にでこペンと呼ばれるツールで手書き文字やイラストを描き込めば、内容がリアルタイムに反映される仕組。楽しく、まるでゲームのように動画を編集できるアプリケーションだ。
CUDA対応ビデオカードだとココが快適!
・編集後の動画出力処理にCUDAを利用して高速化
・編集対象の動画を低CPU負荷で再生できる

動画を高画質化するなら!
Motion DSP vReveal
CIAにも採用されているという独自のアルゴリズムにもとづいて動画を高画質化することができるアプリケーション。ノイズ除去やシャープ化、コントラスト補正、手ぶれ補正、明度アップといった高画質化処理のほか、携帯電話などで撮影した低解像度の動画を高解像度化するアップスケール機能も備える。逆光や暗部などの悪条件で撮影したものや、古いDVカムで撮ったものなど、クオリティに不満がある動画を生まれ変わらせることができる。
CUDA対応ビデオカードだとココが快適!
・高画質化処理にCUDAを使用
・同じく高画質化処理適用後の動画出力を高速実行

写真の管理やフォトムービーを作るなら
CyberLink MediaShow 5
膨大な写真データを一括管理でき、写真の中からお気に入りのものを選んでフォトムービーも作成できるソフト。認識率90%という高い精度を誇る顔認識管理機能(フェイスタグ)が特徴。このフェイスタグでは、写真に写った人物の顔を自動的に認識し、同じ顔をグループ化して管理することが可能。数多くのフォルダをまたいで写真を整理することもできるのだ。また、動画の管理・編集もでき、手ぶれ補正や明るさ調節といったことも行なえる。これらの機能を組み合わせることで、写真と動画をまとめてフォトムービーを作成し、DVDに書き込んだり、YouTubeなどにアップロードしたりすることもできる。
CUDA対応ビデオカードだとココが快適!
・顔認識にCUDAを使用
・フォトムービーの作成にCUDAを利用して高速化

【検証環境】[ゲームPC]CPU:Intel Core 2 Quad Q9550(2.83GHz)、マザーボード:Intel P45搭載マザーボード、メモリ:PC2-6400 DDR2 SDRAM 2GB×2、ビデオカード:NVIDIA GeForce GTX 275搭載ビデオカード、HDD:Seagate Barracuda 7200.12 ST3500418AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、[一般的なPC]CPU:Intel Core 2 Quad Q9550(2.83GHz)、マザーボード:Intel G31搭載マザーボード、メモリ:PC2-6400 DDR2 SDRAM 1GB×2、ビデオカード:なし(Intel G31チップセット内蔵グラフィックス機能)、HDD:Seagate Barracuda 7200.12 ST3500418AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、[共通環境]OS:Windows Vista Ultimate SP2、[LoiLo Super LoiLoScope ]変換元動画ファイル:AVCHD形式/1,440×1,080ドット/bitレート12Mbps/2分、変換先動画ファイル(CUDA処理):H.264形式/1,280×720ドット/CQP:Level.25、変換先動画ファイル(CPU処理):H.264形式/1,280×720ドット/8,192kbps、[Motion DSP vReveal]変換元動画ファイル:MPEG2形式/720×480ドット/bitレート8Mbps/2分、変換先動画ファイル:WMV9形式/720×480ドット/Quality設定Best、 [CyberLink MediaShow5]変換元写真ファイル:3,264×2,448ドット/平均ファイルサイズ3MB/105枚、変換先動画ファイル:H.264形式/1,920×1,080ドット
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